ナインにカツを入れ、ファンにはプレーオフへの決意を表明した。レギュラーシーズン最終戦を観戦した王貞治監督(66)は「起きろ! 」と選手を一喝し、試合後のセレモニーではグラウンドに立って「チーム一丸となって戦い抜いてくれると思う」とファンに直接、語り掛けた。王監督の提案で当初は30日だけだった全休を10月1日までの連休にし、リフレッシュを図って決戦に備える。
魂のメッセージだった。体の奥底から絞り出すような一言一句にドームが揺れた。試合後のセレモニー。それはプレーオフに向けた決意表明の場だった。「悔しさ、逆境をはね返すべく、チーム一丸となって戦い抜いてくれると思います」。グラウンドを去る王監督。その後ろ姿を絶え間ない拍手が追いかけた。
苦しかったシーズンの締めくくりは完封負けだった。6連敗フィニッシュ。2004年7月以来の月間負け越しも決まった。今季最終戦は待ち望んだ王監督の“現場復帰”だった。にもかかわらず、喫した完敗に屈辱感は極まる。だが、王監督は下を向かなかった。
「後半戦を象徴する試合になった。ファンもこういう試合を見たくないだろう。だが、1週間(試合が)空くことをプラスに考え、思い切りやってほしい」。ネット裏の主催球団室から見守り、感じ取った結論は「休養」だった。当初は30日だけだった全休を王監督の指示で試合後に急きょ10月1日までの連休にした。心身共にリフレッシュしてから、次なる戦いに立ち向かう。
ユニホームこそ着ないが、誰よりも勝ちたい気持ちがあふれた。試合前の打撃練習では山崎や田上に対し、身ぶり手ぶりを交えながら指導。久々に目の前で見るユニホーム姿だったが、懐かしさなどの甘い感傷は持ち合わせていなかった。練習前の全体ミーティングでは10分間にわたって、言葉を発した。
「オレたちは寝ていたんだ。いいか、起きろ! 野手はもっと力いっぱいバットを振れ! そうしないと可動域は広がらない。背骨がボキボキと折れるぐらい、もっと、もっと振れ! 」。主に野手陣に向けられた言葉はゲキというよりも叱責(しっせき)だった。個人名を挙げて打席での気構えにも言及、シーズン3位から逆転Vを果たすためには不可欠な打線の奮起を王監督は促した。
66キロまで減った体重。手術前よりやせた体つきは明白だ。球場入りすると、体力確保のために1時間ほど仮眠をとった。しかし、白球への情熱、勝利への執念は不変だった。打撃練習では休息を挟んで松中にもアドバイス。にらみつけるような鋭い視線で計70分間もグラウンドに立ち続けた。
過去2年、シーズン1位がプレーオフで散った。ホークスが悲劇の主人公になった。「去年までは何としても日本シリーズに出るという重圧があった。今年はプレッシャーなく戦えると思う」。決戦まで残り1週間。3年がかりの雪辱の思いを、まずは宿敵西武にぶつける。(西口憲一)
=2006/09/30付 西日本スポーツ=
(西日本スポーツ) - 9月30日11時43分更新
魂のメッセージだった。体の奥底から絞り出すような一言一句にドームが揺れた。試合後のセレモニー。それはプレーオフに向けた決意表明の場だった。「悔しさ、逆境をはね返すべく、チーム一丸となって戦い抜いてくれると思います」。グラウンドを去る王監督。その後ろ姿を絶え間ない拍手が追いかけた。
苦しかったシーズンの締めくくりは完封負けだった。6連敗フィニッシュ。2004年7月以来の月間負け越しも決まった。今季最終戦は待ち望んだ王監督の“現場復帰”だった。にもかかわらず、喫した完敗に屈辱感は極まる。だが、王監督は下を向かなかった。
「後半戦を象徴する試合になった。ファンもこういう試合を見たくないだろう。だが、1週間(試合が)空くことをプラスに考え、思い切りやってほしい」。ネット裏の主催球団室から見守り、感じ取った結論は「休養」だった。当初は30日だけだった全休を王監督の指示で試合後に急きょ10月1日までの連休にした。心身共にリフレッシュしてから、次なる戦いに立ち向かう。
ユニホームこそ着ないが、誰よりも勝ちたい気持ちがあふれた。試合前の打撃練習では山崎や田上に対し、身ぶり手ぶりを交えながら指導。久々に目の前で見るユニホーム姿だったが、懐かしさなどの甘い感傷は持ち合わせていなかった。練習前の全体ミーティングでは10分間にわたって、言葉を発した。
「オレたちは寝ていたんだ。いいか、起きろ! 野手はもっと力いっぱいバットを振れ! そうしないと可動域は広がらない。背骨がボキボキと折れるぐらい、もっと、もっと振れ! 」。主に野手陣に向けられた言葉はゲキというよりも叱責(しっせき)だった。個人名を挙げて打席での気構えにも言及、シーズン3位から逆転Vを果たすためには不可欠な打線の奮起を王監督は促した。
66キロまで減った体重。手術前よりやせた体つきは明白だ。球場入りすると、体力確保のために1時間ほど仮眠をとった。しかし、白球への情熱、勝利への執念は不変だった。打撃練習では休息を挟んで松中にもアドバイス。にらみつけるような鋭い視線で計70分間もグラウンドに立ち続けた。
過去2年、シーズン1位がプレーオフで散った。ホークスが悲劇の主人公になった。「去年までは何としても日本シリーズに出るという重圧があった。今年はプレッシャーなく戦えると思う」。決戦まで残り1週間。3年がかりの雪辱の思いを、まずは宿敵西武にぶつける。(西口憲一)
=2006/09/30付 西日本スポーツ=
(西日本スポーツ) - 9月30日11時43分更新