襲い掛かる竜のツメを気合ではね返した。高鳴る鼓動を感じ、衝撃に顔をゆがめながらも、見失いかけた白球を必死につかんでいた。阪神・下柳が、竜倒への執念を凝縮させた一瞬。懸命に三塁・関本へ投じた「1球」が、価値ある勝利につながった。
「体を張ったんじゃなくて、勝手に当たったんです。大丈夫だといいですね。また、次もがんばります」
ナインのハートを、さらに熱くさせたビッグプレーだ。四回無死一、二塁。ウッズのはじき返したライナーが、左胸に当たった。体を止めたまま、打球を探した視線だけが宙をさまよう。悲鳴が渦巻く中、足元のボールに気付くまで時間はかかったが、すばやく拾い上げて、間一髪で三塁封殺で一死を奪った。
「(胸は)赤くなっていました」と常川トレーナー。跡がくっきり残った強烈な一撃にも、時折苦笑いを浮かべながら少し間を取り、ピッチングを再開した。なおも一、二塁のピンチは続いていたが、後続を封じてホームを死守した。
最近5試合、すべて得点されていた初回から、ズラリと並べたゼロ行進だ。「すべて矢野のおかげです」。首脳陣の配慮で降板したが、七回もマウンドに上がるつもりだったという。この、気迫だ。下柳は「逆だよ」と野手に助けられたことを強調したが、左腕の闘志に誰もが魅せられた。
ミラクルに突き進むムードが、心地良い。後半戦開幕前には、トレーナー陣ら、裏方さんを集めて焼き肉をごちそうした。気配りを欠かさない男が、全身で示す魂のプレー。だから、チーム一丸の空気ができ上がる。
傷だらけでつかみ取った12勝目。久々のお立ち台でも、期待を裏切らない。「朝夕寒くなってきたので、風邪をひかないよう、元気に応援してください」。下柳の粋な言葉に、スタンドが熱狂する。これだけの熱いピッチングに、秋を感じる者はいない。燃え盛るベテランの炎が、3タテへの扉をこじ開けた。
(デイリースポーツ) - 9月30日10時50分更新
「体を張ったんじゃなくて、勝手に当たったんです。大丈夫だといいですね。また、次もがんばります」
ナインのハートを、さらに熱くさせたビッグプレーだ。四回無死一、二塁。ウッズのはじき返したライナーが、左胸に当たった。体を止めたまま、打球を探した視線だけが宙をさまよう。悲鳴が渦巻く中、足元のボールに気付くまで時間はかかったが、すばやく拾い上げて、間一髪で三塁封殺で一死を奪った。
「(胸は)赤くなっていました」と常川トレーナー。跡がくっきり残った強烈な一撃にも、時折苦笑いを浮かべながら少し間を取り、ピッチングを再開した。なおも一、二塁のピンチは続いていたが、後続を封じてホームを死守した。
最近5試合、すべて得点されていた初回から、ズラリと並べたゼロ行進だ。「すべて矢野のおかげです」。首脳陣の配慮で降板したが、七回もマウンドに上がるつもりだったという。この、気迫だ。下柳は「逆だよ」と野手に助けられたことを強調したが、左腕の闘志に誰もが魅せられた。
ミラクルに突き進むムードが、心地良い。後半戦開幕前には、トレーナー陣ら、裏方さんを集めて焼き肉をごちそうした。気配りを欠かさない男が、全身で示す魂のプレー。だから、チーム一丸の空気ができ上がる。
傷だらけでつかみ取った12勝目。久々のお立ち台でも、期待を裏切らない。「朝夕寒くなってきたので、風邪をひかないよう、元気に応援してください」。下柳の粋な言葉に、スタンドが熱狂する。これだけの熱いピッチングに、秋を感じる者はいない。燃え盛るベテランの炎が、3タテへの扉をこじ開けた。
(デイリースポーツ) - 9月30日10時50分更新