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 9回2死。カウント2―2から一場のド真ん中への150キロをとらえた。松中が確信の表情で一塁へと歩き始める。だが、打球は沸き上がる右翼席の手前で失速し、関川のグラブに吸い込まれた。「今年を象徴していました。自分で入ったと思ったのに、入らなかったのがショック」。屈辱のレギュラーシーズンの大トリは、松中が不本意な形で務めた。

 初回2死二塁では迷わず歩かされたが、出塁はこの一度。4回無死三塁での遊ゴロから3打席連続凡退だ。試合前のフリー打撃で右翼席に放り込みまくった姿とはまるで別人。「打ってくださいという練習の球と、力を込めて投げてくる試合の球は違う。何か原因はあるんでしょう。来年の課題にします」。136試合目に至っても、答えは見い出せなかった。

 6月に発症した左臀部(でんぶ)の膿瘍(のうよう)に悩まされた。20本塁打に届かなかったのは、プロ2年目の1998年以来。8年ぶりの沈没だ。打率・324で2年ぶりの首位打者を確実にしたことだけが救い。「思わぬケツの痛みから何とか粘って頑張れた。森脇さんだけではチームが成り立たないと思ってグラウンドに立ち続けた。ファンの方は物足りないだろうけど、自分の中では大満足。ごほうびの首位打者だと思う」。自分に言い聞かせるように語った。

 王監督と、観戦に訪れた秋山2軍監督は第4打席の右飛に「悪くない」と口をそろえたという。中1週間で臨む西武とのプレーオフ第1ステージ。「今年はずっとこんな感じ。四球で塁に出て、走者をかえす。今さら急に(打球が)飛ぶこともない。しっかりチームに貢献できるように」。散発の3長打で今季13度目の零封負けを喫した極貧打線。過去2年のプレーオフで通算35打数3安打と地獄を見続けた4番が、生まれ変わるしかない。 (森 淳)

=2006/09/30付 西日本スポーツ=
(西日本スポーツ) - 9月30日11時43分更新