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今年で14回目となる「K−1 WORLD GP 2006 IN 大阪〜開幕戦〜」が大阪城ホールで行われた。
 12月2日、東京ドームで開催される決勝トーナメントを目指し16人のトップファイターが熱戦を繰り広げたが、メーンを飾ったのは“K−1の番長”ジェロム・レ・バンナと“コリアン・モンスター”チェ・ホンマンの2人。試合前はお互いが激しく罵り合う舌戦が展開されたが、試合はそれをはるかに超える熱さでヒートアップ。大阪城ホールの観客を揺るがす、メーンにふさわしい名勝負となった。

 数々の強豪を沈めてきた左の強打がイメージの強いバンナだが、実は左右の蹴りもそれに劣らぬ威力を持っている。身長で30センチ近く上回るホンマンに対し、バンナは右ロー、左ミドルを中心にして試合を進めていく。来日が遅れ調整不足も懸念されたがバンナの体は絞り込まれており、ホンマンの攻撃をスピードのある身のこなしでかわしていく。 浅いながらも中に入っての右フックも当てこのままバンナが判定で逃げ切るかと思われたが、ホンマンは最終ラウンドにヒザ蹴りで逆襲。試合を振り出しに戻し、延長戦に持ち込むことに成功する。
 延長ラウンドに入り、スタミナの苦しい両者だが、バンナは鼻血を流しながらもホンマンのパンチを防ぎ、1発1発右ローを叩き込んでいく。結局4ラウンドに及んだ死闘は、3−0の判定で番長バンナに凱歌。ともに死力を尽くして戦った両者は試合前の舌戦がウソのようにお互いの健闘を称え合い、清々しい場面とともに開幕戦の幕は閉じられた。

 セミファイナルには日本期待の武蔵が登場。スーパーカーを乗り回す実業家としての顔も持つ、ハリッド“ディ・ファウスト”と対戦した。武蔵はムエタイ特訓の成果を見せ、前蹴り、左ミドルといった攻撃で攻めるが、パンチを得意とするディ・ファウストは距離を詰めショートのパンチを回転させてくる。試合は2−1に判定が割れる接戦となったが、勝利したのは最終回にショートフックとショートアッパーを当て武蔵を止めたディ・ファウスト。武蔵は優勝の夢を断たれる同時にこれで3連敗となり、悪夢の迷路を抜け出すことができなかった。

 第6試合ではフォータイムス・チャンピオンのアーネスト・ホーストが復活。5回目の王座を目指し発進したホーストだが、序盤は藤本祐介の振り回すフックに手を焼き苦戦を強いられる。だが、フックを打つため体重の乗った藤本の左足にローキックを集めると3ラウンドにKO勝利。さすがの王者も負ければ即引退の大勝負に硬さが見られたが、攻撃の精度ときっちり試合をまとめてくるあたりに衰えぬ実力を感じさせた。

 昨年の覇者セーム・シュルトと2メートル2センチのビヨン・ブレギーによる“巨人対決”は、シュルトが左ジャブで3度ダウンを奪って圧勝。そのほか、レミー・ボンヤスキー、グラウベ・フェイトーザら昨年のベスト8ファイターが順当に決勝進出を収めた。
 危険な空気を醸し出し“超新星”と期待されたバダ・ハリは、ルスラン・カラエフにわずか52秒のKO負け。カラエフがダウン後のバダ・ハリに攻撃を加える反則はあったものの、試合前の会見とたっぷり時間をかけた入場以外では持ち味を発揮できぬまま開幕戦で姿を消した。ベスト8常連ファイターのレイ・セフォーも、ステファン・レコに慎重となり過ぎて攻めが出ず、延長判定で敗退した。

 これで決勝トーナメントへ駒を進めたのはジェロム・レ・バンナ、ハリッド“ディ・ファウスト”、アーネスト・ホースト、ステファン・レコ、セーム・シュルト、グラウベ・フェイトーザ、レミー・ボンヤスキー、ルスラン・カラエフの8人。ゴールデン・グローリーはシュルト、レコ、ディ・ファウストの3人を送り込む躍進となった。
 決勝トーナメント抽選会が行われるのは10月2日・月曜日。シュルトの連覇か、それともホースト5度目の戴冠か、あるいはバンナが悲願の初優勝を果たすのか――。
 優勝の栄冠をつかむには、トーナメントの組み合わせが大きなカギを握ってくる。ドラマチックな結末が予想される今年の決勝トーナメント。その第1幕は抽選会から始まらんとしている。

■「K−1 WORLD GP 2006 IN 大阪〜開幕戦〜」
9月30日(土) 大阪・大阪城ホール

<第8試合 ワールドGP1回戦>
○ジェロム・レ・バンナ(フランス/レ・バンナエクストリームチーム)
(延長1R 3−0 ※10−9、10−9、10−9)
●チェ・ホンマン(韓国/フリー)

<第7試合 ワールドGP1回戦>
●武蔵(日本/正道会館)
(3R判定 1−2 ※29−30、29−28、29−30)
○ハリッド“ディ・ファウスト”(ドイツ/ゴールデングローリー)

<第6試合 ワールドGP1回戦>
○アーネスト・ホースト(オランダ/チームミスターパーフェクト)
(3R 2分09秒 KO)
●藤本祐介(日本/モンスターファクトリー)

<第5試合 ワールドGP1回戦>
●レイ・セフォー(ニュージーランド/レイ・セフォーファイトアカデミー)
(延長1R判定 0−3 ※9−10、9−10、9−10)
○ステファン“ブリッツ”レコ(ドイツ/ゴールデングローリー)

<第4試合 ワールドGP1回戦>
○セーム・シュルト(オランダ/正道会館)
(1R 2分11秒 KO)
●ビヨン・ブレギー(スイス/マイクスジム)

<第3試合 ワールドGP1回戦>
○グラウベ・フェイトーザ(ブラジル/極真空手)
(3R判定 3−0 ※30−28、30−27、30−27)
●ポール・スロウィンスキー(オーストラリア/ファインダーズユニムエタイジム)

<第2試合 ワールドGP1回戦>
●ゲーリー・グッドリッジ(トリニダード・トバゴ/フリー)
(3R 0分52秒 KO)
○レミー・ボンヤスキー(オランダ/チームボンヤスキー)

<第1試合 ワールドGP1回戦>
○ルスラン・カラエフ(ロシア/マルプロジム)
(1R 0分52秒 KO)
●バダ・ハリ(オランダ/ショータイム)

<オープニングファイト>
○野田 貢(日本/シルバーアックス)
(1R 1分52秒 KO)
●長谷川 康也(日本/アクティブJ)
(スポーツナビ) - 10月1日3時32分更新