のじぎく兵庫国体・高校野球の部決勝は4日、夏の甲子園決勝と同じ顔合わせとなったが、ハンカチ王子こと斎藤佑樹投手(18)を擁する早実が、息詰まる投手戦の末、駒大苫小牧を1−0で破り、夏と合わせ2冠を達成した。打っても決勝タイムリーヒットで貴重な1点をもぎ取った斎藤は、試合後「早大進学1本」を明言し、ささやかれ続けていた慶大進学説、東大受験説などを一蹴した。
王子が舞った。試合後の記念撮影終了後、斎藤は一塁ベンチ前でチームメートに囲まれて胴上げされ、3度宙を舞った。
「(全国的なハンカチ王子フィーバーで)束縛された感じがあったので、この大会で暴れようという気持ちがありました」と、はにかんだような笑顔が弾けた。
こんな斎藤には、9月に進学表明会見を行った後も、スターの宿命か、具体的な進路をめぐり、既定路線の早大進学の他、慶大進学説、果ては東大受験説まで流れていた。この日、「自分はまだ早稲田大学入学が決まったわけじゃないので…もちろん小さい頃から早稲田大学に行きたい気持ちはありましたが、これから勉強して決まること。あくまで早大希望? ハイ、そうです」と言い切った。実際には系属校の早実にいる斎藤自身が希望すれば、年明けに早大への推薦入学が決まるのは間違いない。胴上げとともに、雑音も“完封”した形だ。
それにしても、でき過ぎたシナリオだった。早実・斎藤、楽天から1巡目指名されたばかりの駒苫のエース田中将大投手が、満員の観客7200人の前で一歩も引かない投手戦を展開。とりわけ田中は今大会、初戦で福知山成美を完封したのを皮切りに、準決勝まで3試合連続無失点。4回、通算28イニング目にして打ち砕いたのは、他ならぬ宿命のライバル斎藤のバットだった。
早実はこの回、2死から5番船橋が二塁強襲安打で出塁し、田中の暴投で二塁進塁。ここで斎藤は、カウント1−1からの速球に詰まりながら、しぶとく右翼線に落とす。船橋が本塁を踏み、早実に虎の子の1点が入ったのだった。
斎藤は投げては粘り強くコーナーを突き、4回1死満塁の最大ピンチも、遊ゴロ併殺打でしのぎ切った。
「斎藤1人にやられた。今大会30イニング以上投げて(33イニング)、1点しか取られなかったのに、大事な所で取られた。自分の甘さが出た。斎藤とはまた対戦したい。プロで? そこしかないですから」と、田中はじだんだを踏んだ。
斎藤は3日の準決勝で見せた、おなじみのハンカチで顔を拭くパフォーマンスを見せずじまいで、「使おうと思ったんですけど、正直言って、きょうはそんな気持ちの余裕はなかったです」と打ち明けた。
斎藤は104球9安打6奪三振無失点。田中はある意味でそれを上回る、115球4安打9奪三振1失点。お互いに最後までマウンドを守り切り、夏の甲子園決勝で延長15回引き分け翌日再試合を演じた両雄のライバル伝説は、また1つエピソードを加えた。
ちなみに、夏の甲子園と国体の決勝が同じ顔合わせとなるのは、1998年に松坂大輔(現西武)を擁する横浜と京都成章との対戦以来。夏の優勝校が相手を“連破”したケースは、横浜以来4度目だ。
衰えないフィーバーについて、「まだ早いです! 自分は大学へ行って、そこから(プロ入り時に)有名になりたいっていう思いはありました。高校野球からすぐプロとは考えてなかった。高校野球は楽しみたいっていうのが一番でした」と苦笑いしながらも、「でも、騒がれることは当然うれしいです」と、スマートにまとめた。
「今は少し休みたいです」。果たして全国を魅了した王子に休息の時は訪れるのだろうか。
(夕刊フジ) - 10月4日17時0分更新
王子が舞った。試合後の記念撮影終了後、斎藤は一塁ベンチ前でチームメートに囲まれて胴上げされ、3度宙を舞った。
「(全国的なハンカチ王子フィーバーで)束縛された感じがあったので、この大会で暴れようという気持ちがありました」と、はにかんだような笑顔が弾けた。
こんな斎藤には、9月に進学表明会見を行った後も、スターの宿命か、具体的な進路をめぐり、既定路線の早大進学の他、慶大進学説、果ては東大受験説まで流れていた。この日、「自分はまだ早稲田大学入学が決まったわけじゃないので…もちろん小さい頃から早稲田大学に行きたい気持ちはありましたが、これから勉強して決まること。あくまで早大希望? ハイ、そうです」と言い切った。実際には系属校の早実にいる斎藤自身が希望すれば、年明けに早大への推薦入学が決まるのは間違いない。胴上げとともに、雑音も“完封”した形だ。
それにしても、でき過ぎたシナリオだった。早実・斎藤、楽天から1巡目指名されたばかりの駒苫のエース田中将大投手が、満員の観客7200人の前で一歩も引かない投手戦を展開。とりわけ田中は今大会、初戦で福知山成美を完封したのを皮切りに、準決勝まで3試合連続無失点。4回、通算28イニング目にして打ち砕いたのは、他ならぬ宿命のライバル斎藤のバットだった。
早実はこの回、2死から5番船橋が二塁強襲安打で出塁し、田中の暴投で二塁進塁。ここで斎藤は、カウント1−1からの速球に詰まりながら、しぶとく右翼線に落とす。船橋が本塁を踏み、早実に虎の子の1点が入ったのだった。
斎藤は投げては粘り強くコーナーを突き、4回1死満塁の最大ピンチも、遊ゴロ併殺打でしのぎ切った。
「斎藤1人にやられた。今大会30イニング以上投げて(33イニング)、1点しか取られなかったのに、大事な所で取られた。自分の甘さが出た。斎藤とはまた対戦したい。プロで? そこしかないですから」と、田中はじだんだを踏んだ。
斎藤は3日の準決勝で見せた、おなじみのハンカチで顔を拭くパフォーマンスを見せずじまいで、「使おうと思ったんですけど、正直言って、きょうはそんな気持ちの余裕はなかったです」と打ち明けた。
斎藤は104球9安打6奪三振無失点。田中はある意味でそれを上回る、115球4安打9奪三振1失点。お互いに最後までマウンドを守り切り、夏の甲子園決勝で延長15回引き分け翌日再試合を演じた両雄のライバル伝説は、また1つエピソードを加えた。
ちなみに、夏の甲子園と国体の決勝が同じ顔合わせとなるのは、1998年に松坂大輔(現西武)を擁する横浜と京都成章との対戦以来。夏の優勝校が相手を“連破”したケースは、横浜以来4度目だ。
衰えないフィーバーについて、「まだ早いです! 自分は大学へ行って、そこから(プロ入り時に)有名になりたいっていう思いはありました。高校野球からすぐプロとは考えてなかった。高校野球は楽しみたいっていうのが一番でした」と苦笑いしながらも、「でも、騒がれることは当然うれしいです」と、スマートにまとめた。
「今は少し休みたいです」。果たして全国を魅了した王子に休息の時は訪れるのだろうか。
(夕刊フジ) - 10月4日17時0分更新