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自動車F1シリーズ第17戦、日本グランプリ(GP)は8日、三重県鈴鹿サーキットで53周(1周約5・807キロ)の決勝を行い、今季限りでの引退を表明している“皇帝”ミハエル・シューマッハー(37)=ドイツ、フェラーリ=は最後の日本GPで完走できなかった。2番手スタートから3周目にトップに立ったが、37周目に今季初めてのエンジンブローでリタイア。5番手発進から猛追したフェルナンド・アロンソ(25)=スペイン、ルノー=が1時間23分53秒413で今季7回目、通算15回目、鈴鹿では初めての優勝を飾った。次の最終戦・ブラジルGP(22日)でアロンソが8位以内に入れば年間総合優勝が決まるため、M・シューマッハーのタイトル獲得は難しくなった。
 皇帝の鈴鹿ラストランは白煙とともに終わった。2回目のピット作業を終え、首位のままコースに戻った37周目に悪夢を見た。デグナーカーブの入り口で突如としてマシンが白煙を噴く。失速するフェラーリ。M・シューマッハーが戦いの舞台から静かに降りた。
 「ベストを尽くし、トップを走った。しかしエンジンが壊れた。今日のことを簡単に言うと、こういうこと。しかしこれがF1だ」。予選では1分28秒954という驚異のコースレコードを記録した。鈴鹿史上最多となる6回の優勝を誇る皇帝のために今回の鈴鹿があると、誰もが思った。
 今年9月、イタリアGP優勝直後に今季限りでの引退を表明した。残り3戦で年間総合王者とコンストラクターズの2冠を成し遂げ、輝かしいキャリアを締めくくる決意だった。前戦・中国GPを制して乗り込んだ鈴鹿。2番手スタートも、3周目にはチームメートのマッサをかわしてトップに立つ。思い通りのシナリオが進んでいた。
 それだけにショックは大きい。アロンソと並んでいたポイントは10点差となった。ブラジルGPでアロンソが1点でも獲得すれば、皇帝の年間総合優勝はなくなる。M・シューマッハーが優勝し、アロンソがリタイアするしか逆転の可能性はない。「ドライバーズタイトルは失った。ライバルがリタイアすることを望んでレースに向かいたくない」。皇帝の口からは“終戦宣言”も出た。
 それでも2週間後、レースがある。「一時は25ポイント差をつけられて誰もが再びチャンピオンシップを争えるようになるとは思っていなかった。でもできたんだ。ブラジルでもできる限りのことはする」。年間総合王者7回、優勝91回、PP獲得68回。数々の偉業を打ち立てた皇帝が最後の戦いに臨む。
(デイリースポーツ) - 10月9日11時14分更新